【完】俺がどんなにキミを好きか、まだキミは知らない。
「あれ?灰野くん、ボタンずれてる……」

「ほんとだ……」


着替え急ぎ過ぎたのかも。
……だっさ。


でもふと思った。
ナギなら、俺みたいにへこむことなく、笑いながら言うんだろうな。


「藍田さんが直して」


そう冗談で言ったら、藍田さんは”ナギちゃんのばか”みたいなことを言うんだろ?


そう思って言ったのに。


「う、うん!わかった。任せて!」


なぜか藍田さんはやる気満々で。


「え?」


俺はベッドに座ったまま、呆気にとられて藍田さんを見上げる。

< 280 / 400 >

この作品をシェア

pagetop