【完】俺がどんなにキミを好きか、まだキミは知らない。
「灰野くん、寝て良いよ?」
「うん。そうする」
横になった俺に、藍田さんが布団をかけてくれて。
「……寝るまでいてもいい?」
そんなこと言われると思わなかった。
「うん。いて」
そっこー寝てしまいそうなほど眠いけど、もう少し起きていたい。
せっかく藍田さんがここにいるんだから。
でももう、瞼が重すぎる。
……。
あ。今、数秒睡魔に負けてた。まだ寝たくない。
両頬をバシンと叩いた俺を見て、藍田さんは目を丸くする。
「どうしたの灰野くん?」
「あ……いや」
「あたしがいると寝にくいかな……?」
だから、なんでそんな気遣うの。
しかも逆だから。
「そんなことないから、ここにいて」
あんまり俺に気、遣わないでよ。