【完】俺がどんなにキミを好きか、まだキミは知らない。
灰野くんとお勉強
藍田胡桃 Side*
◇
今、あたしは、灰野くんの家の前にいる……。
ことの始まりは、あたしの数学の点数が壊滅的なのにも関わらず、授業中に灰野くんに見惚れるという失態のせいで云々。
まぁ一言で言うと、試験で赤点をさけるために灰野くんに勉強を教えてもらうことになった。
いつもならナギちゃんに教えてもらうところだけど、ナギちゃんは昨日も元気に入院していたし。
でも赤をとれば夏休みは補習待ったなし。
それだけは絶対に避けたい。
だから申し訳ないけど灰野くんに頼み込んだ。
灰野くんは高校に入ってからというもの成績は常に上の方だから。