【完】俺がどんなにキミを好きか、まだキミは知らない。
「藍田さん、入んないの?」

「は、入る」

中1ぶりの、灰野くんの家……。

ドキドキする。


灰野くんに続いて玄関に入ったあたしは「おじゃまします」と頼りない声で言う。

するとひょこんと顔をだしたのは、天使のように可愛い灰野くんの弟の愁ちゃん。

ふわっとした髪が茶色くてちょっとくせっ毛で、本当に天使みたい……!


「こんにちは」

あたし、でれでれの笑み浮かべすぎたかな?

愁ちゃんはすっとドアの後ろに隠れてしまった。


「あ……」


がーん。


「おい愁。こっちおいで」


灰野くんが手招きすると、おずおずと近づいて、さっと灰野くんの後ろに隠れた。

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