【完】俺がどんなにキミを好きか、まだキミは知らない。
「あのね、あたし女の子としかハグってしたことなかったから、灰野くんの胸板が堅くて、男の子なんだなって、すっごくドキドキして。胸板かたいって褒めたんだよね?」
「え」
……そういうことかああああああ。
「そうそう。それね」
とか知ったかぶりながら、もう最高に気が抜けて、藍田さんから離れた。
でも藍田さんの手はまだ俺のシャツをちょんと掴んでいて。
「ね、ねぇ、灰野くん……さっき山本君が言ったこと、半分くらい本気」
「え?」
「そ、その、ずっと先のそういうアレはまだ怖いしできないけど、」
「あ、うん」
だいたいニュアンスで通じたけどすごい日本語だな。
「キスは、したい……」
潤んだ瞳で見上げるのは、だからズルいんだって。
「……藍田さん、ファーストキスだよね?」
「うん」
「憧れ強いって言ってたよね」
「あたし灰野くんに言った……!?」
あ、盗み聞きしただけかも。
「どういうのが好みなの?」
ちゃんと教えて。
その通りにしてあげるから。
「え」
……そういうことかああああああ。
「そうそう。それね」
とか知ったかぶりながら、もう最高に気が抜けて、藍田さんから離れた。
でも藍田さんの手はまだ俺のシャツをちょんと掴んでいて。
「ね、ねぇ、灰野くん……さっき山本君が言ったこと、半分くらい本気」
「え?」
「そ、その、ずっと先のそういうアレはまだ怖いしできないけど、」
「あ、うん」
だいたいニュアンスで通じたけどすごい日本語だな。
「キスは、したい……」
潤んだ瞳で見上げるのは、だからズルいんだって。
「……藍田さん、ファーストキスだよね?」
「うん」
「憧れ強いって言ってたよね」
「あたし灰野くんに言った……!?」
あ、盗み聞きしただけかも。
「どういうのが好みなの?」
ちゃんと教えて。
その通りにしてあげるから。