【完】俺がどんなにキミを好きか、まだキミは知らない。
ぶっ壊れたライバル
灰野伊吹 SIDE*
◇
どうしたんだ、あいつ。
ナギがぶっ壊れてる。
「えーじゃあナギが今日はわたしの家来て!」
「いいけどなにすんのー?」
「そんなの決まってるじゃーんっ。前みたいな」
「えー俺骨折してんだけど」
「でもこの前できたし、ていうか里菜ともヤったんでしょー?」
「妬くなよ。いいけど、じゃあめちゃくちゃ可愛いの着といてよ?」
「「きゃーっ」」
なんっていう会話をしてんの?あの辺!
正気?
俺はつい藍田さんに視線を滑らせた。
藍田さんも俺と似たような思いなんだろう。
どこのクラスから来たのかもわからない女子に囲まれているナギを、唖然として見ている。
あ、席立った……?
ナギんとこ行くのかな。
……何する気なんだろう、藍田さん。