【完】俺がどんなにキミを好きか、まだキミは知らない。

「えーナギが言ってた ” 失恋した相手 ” って胡桃ちゃんのこと!?」

「てか、灰野くんじゃん!うわうわぁーっ、イケメン!あたし生でこんな近くで見るの初めてー!」


うるさいなぁ、女子。
ちょっと黙ってろよ。


いや、そんなことよりナギだ。


「ナギがどう思ってても、藍田さんの彼氏は俺だから」


え?

おい。

聞いてんのかよ、ナギ。


「彼氏ねぇ……」


……なんだよその突然の悲壮感は……!?


「ぅえーー!!ちょっと胡桃ちゃん!灰野くんと付き合ってんの?!」


「えと、うん。付き合ってる」


藍田さんのその一言で一気に女子が盛り上がった。

藍田さんが質問攻めだ。なれそめとか結婚式かよ。いいだろどうでも。


「胡桃ちゃん、灰野くんってうまいの?」

「なにが?」

「なにって、エッチ」


こいつら……脳みそ、大丈夫なの?

藍田さんとバチっと合ってしまった目を思いっきりそらした。


「な……っ、なんで、そんなの灰野くんの前で言うの?!」


「あーこれ、胡桃ちゃんまだ処女だねぇ」


「リリカちゃん!!」


「灰野くん、胡桃ちゃんは意外と理想高いからそこんとこ頑張ってね?」


にやんっと笑った女子からそっと視線をずらした。


「リリカちゃーーーん!!しぃ!!」


大慌ての藍田さん。
ガールズトークかなんかで相当語ってるな、これ。


俺もうこの輪から離れてあげよ。


そう思った時。


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