【完】俺がどんなにキミを好きか、まだキミは知らない。
それからクラスは一丸となって ” ナギを励ます会 ”を設立。

毎日のようにしていた女遊びの隙間がなくなるほど、クラスメイトがカラオケなんかの健全な遊びに連れ出している。


……でも俺と藍田さんは、ナギの精神衛生上、参加不可で。


藍田さんは、気付けば心配そうにナギを見ている。


今日の放課後も、ナギはクラスの人たちに連れていかれた。


俺と藍田さんは今日映画に行くから、映画以外のところに連れていくっていってたけど……。


「藍田さん、行こ?」


「うん」


楽しそうじゃないなぁ……。そりゃそうか。

俺たちのせいで親友がぶっ壊れたんだから。

でも、ナギどうなんだよ。

藍田さんのことが一番大事だから今は告白しないんじゃなかったの?

アレは嘘?

もうわかんないあいつのことは。



藍田さんは鞄を持って、俺の隣を少し遅れて歩く。


どうやったら藍田さんの元気出してあげられるんだろう。


手でも繋いどく……?


……いい加減、自然と手くらい繋ぎたい。


心臓はなんだかんだではやまっているけど。


前に後ろに動く藍田さんの小さい手のひらを、そっとつかんだ。


「……えっ」


過剰反応しないで。

当たり前のことみたいに、流して。

そんな赤面されたら俺まで移るから。

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