【完】俺がどんなにキミを好きか、まだキミは知らない。
灰野くんに近づきたい
藍田胡桃SIDE*
◇
夏休みも、もう最終週。
補習は嫌だけど、灰野くんがいるから頑張れる。
だけど、ナギちゃんのヤケを見ると、心苦しくて目をそらしたくなるよ。
まぎれもなくあたしが骨折に追い打ちをかけちゃったんだから。
罪悪感が日々、膨らんでいく気がする。
今日も補習を終えると、ナギちゃんのお迎えにあがる女子が廊下にいて溜息が出た。
その様子をあたしと灰野くんは冷え切った目で見つめるんだけど。
「ナギちゃんのこと、どうしたらいいのかな……」
「ほっとこう」
「え」
灰野くんは結構冷たいこと言うんだなぁ……。