【完】俺がどんなにキミを好きか、まだキミは知らない。
そんなことより、
「ナギもう女遊びやめんの?」
「んー、多分」
そうかよ。
……でもさ。
「ナギ、明らかな黒歴史残したけど大丈夫なの?」
もし俺だったら地球に居られないけど。
「全然?俺は誰かさんと違って、過去の細かいことは気にしないから」
……あぁ、そう。
それは羨ましい性格してんな。
「つーか灰野に言ったじゃん?今はいいんだよ。いつか、好きすぎてぶっ壊れた過去さえ味方につけるから、俺は」
はいはいはいはい。
「そーかよ。自由にしろよ?」
「お?いいの?」
不安げに俺たちのラリーを見上げている藍田さん。
俺は、こじんまりしたその体を、後ろからぎゅっと抱きしめた。
「……だって俺、絶対離さないもん」
授業中の校内を轟かせたみんなの「ひゅー!!」とか「きゃー!」。
……俺はね、もう逃げたいよ。
でも絶対離さない。
独占欲全開でだっさいけど、
「あんま見ないで」
自分の赤面より、藍田さんのを隠したくなった。
灰野くんのおまけ。おしまい。