【完】俺がどんなにキミを好きか、まだキミは知らない。

こっちは好きじゃないんで。


灰野伊吹 Side*





教えてよ、藍田さん。


「俺とナギ、どっちとしたい?」



藍田さんは何て答えんの?


本気で知りたいと思った。


ナギは、藍田さんに一番近い男。



それは俺たちが中一の時付き合っていたあの一カ月だってそうだった。



いや藍田さんにとっては、” 付き合ってたうちにも入らない ”一カ月だっけ?


どうでもいいけどさ。



じゃあ俺って藍田さんのなんだったの?


今も昔も、目の前の藍田さんは、俺じゃないところを見ている。


それが、誰を見ているのか確認しなくてもわかるよ。


いつもそうだ。藍田さんにはナギがいる。



< 45 / 400 >

この作品をシェア

pagetop