【完】俺がどんなにキミを好きか、まだキミは知らない。
俺に詰め寄られる藍田さんの目は宙をさまよって泳いで……で、なに?
ナギに助けを乞うわけ?
……いいから、俺って答えてよ。
そしたら、胸がすくじゃん。
こんなにもやもやしなくてすむんだよ。
「……」
沈黙は長くて。でも藍田さんはこんなに近くにいる俺を見ない。
それが答え?
ほんと、むかつくね。
こんなバカみたいなこと、藍田さんに聞いてる自分自身に、めちゃくちゃ腹が立つよ。
キスする気なんて勿論ない。
俺は、藍田さんなんか好きじゃない。大嫌いだ。
「伊吹」
俺の名を呼ぶ声に、目を向けると、花がいた。
ずっと見てたよ、って。
呆れたような、悲しいような目は、俺を一気に冷静にさせる。
「すきじゃないなら、そういうことはやめた方がいい。自分も相手も傷つけるよ」
花は俺にない賢い頭で「その子から離れてあげて」と念を押す。
あっさり身を引いた俺を、藍田さんは呆然と見ていた。
「ごめんね、藍田さん。忘れて」
我ながら無責任な言葉だな。
花の後ろに続くように、雑草を踏みしめながら歩いていく。
花のすっと伸びた背筋。
サラサラと左右に揺れる黒い髪が指を通る感触を思い出して、ふっと笑う。
好きじゃないなら、だめだよ。
それを花に言われたら、俺はなんも言えない。
……好きじゃねーよ、藍田さんのことなんか。
ナギに助けを乞うわけ?
……いいから、俺って答えてよ。
そしたら、胸がすくじゃん。
こんなにもやもやしなくてすむんだよ。
「……」
沈黙は長くて。でも藍田さんはこんなに近くにいる俺を見ない。
それが答え?
ほんと、むかつくね。
こんなバカみたいなこと、藍田さんに聞いてる自分自身に、めちゃくちゃ腹が立つよ。
キスする気なんて勿論ない。
俺は、藍田さんなんか好きじゃない。大嫌いだ。
「伊吹」
俺の名を呼ぶ声に、目を向けると、花がいた。
ずっと見てたよ、って。
呆れたような、悲しいような目は、俺を一気に冷静にさせる。
「すきじゃないなら、そういうことはやめた方がいい。自分も相手も傷つけるよ」
花は俺にない賢い頭で「その子から離れてあげて」と念を押す。
あっさり身を引いた俺を、藍田さんは呆然と見ていた。
「ごめんね、藍田さん。忘れて」
我ながら無責任な言葉だな。
花の後ろに続くように、雑草を踏みしめながら歩いていく。
花のすっと伸びた背筋。
サラサラと左右に揺れる黒い髪が指を通る感触を思い出して、ふっと笑う。
好きじゃないなら、だめだよ。
それを花に言われたら、俺はなんも言えない。
……好きじゃねーよ、藍田さんのことなんか。