【完】俺がどんなにキミを好きか、まだキミは知らない。
「胡桃ー、うちらもうあがるよ?」

「えー待って!」


彗とリホちゃんを追いかけるように、急いで体を拭いて脱衣所へ向かう。

あれ。もう次のクラスの人が来ているの?

長湯しちゃったなと思いながら、髪を拭いていたら。


「藍田さん、落としたよ」


澄んだ声に振り返ると、藤堂さんがあたしのヘアピンをこちらに差し出していた。


そっか、次は藤堂さんのクラスの番だったんだ。


っって、そんなことよりも……!


藤堂さん、黒いレースの下着姿だよ?
しかも悪いお姉さんがつけていそうな!



藤堂さんは、いわゆるおとなしい優等生タイプ……だと思ってたから。


意外すぎる。


色白の肌に映える黒。何カップなのか見当もつかないボリューム。なのにくびれはあって、でも細すぎない。


なにこの……完璧なひと……。


ドクンドクン。
また心臓が荒くなる。


灰野くんは知ってるのかな。


藤堂さんのこの姿……見たことあるのかな。


だとしたら、やだな。


すごく嫌だな。



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