【完】俺がどんなにキミを好きか、まだキミは知らない。
さらりと揺れる長い黒髪を、ゴムで一つにまとめる藤堂さん。


綺麗なうなじ。セクシーすぎる。


笑っちゃうよ、ひとつも勝てるところがないなんて。



「どうしたの?風邪ひくよ?」


ようやく見つめすぎていたことに気づいた。


「ごめんなさい……!これありがとう」


ロッカーへ向かって、一応今日のために選んだ下着を取り出す。


あたしが可愛いと思って持ってきたのは、オレンジに近いコーラルピンクの、これ。


……子供っぽい。



藤堂さんのを見たせいで、呆気ないほど色褪せて目に映る。




それにどんなに寄せてあげても、ああはならない。


「はぁ……」


さすが、灰野くんが好きになった人……。

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