【完】俺がどんなにキミを好きか、まだキミは知らない。
「あたしと……一緒にまわってくれませんか」
「え……」
え?
しん、とした時間が過ぎる。
あー……だめだ。
「嫌だよね……」
視線を急降下させて声まで落っことした。
断られた場合はどうすればいいの、この空気。ねぇリホちゃん。
あたしはリホちゃんに目を向ける。リホちゃんは灰野くんの方をじいっと見ている。まるで心の中を覗き込もうとでもしてるのってくらい穴が開きそうなほどに。
「灰野どうすんの?」
ナギちゃんはそう聞くと、壁にもたれてふぅっと溜息をつく。
「みんながいいなら、別に俺はそれでいいけど」
灰野くんの返事は……要するにYES?
ほんとに……?と喜びかけた時。