【完】俺がどんなにキミを好きか、まだキミは知らない。


「……うまく伝わってないよね?俺藍田さんと廻りたくないって思ってるわけじゃないから」


「本当に?ならよかった」


「”よかった”のに、そんな沈んだ声出さないで。っていっても俺のせいだけど」


灰野くんは足を止めて、少し後ろを歩くあたしに振りむいた。


えっと、何?


「……隣おいでよ」


どきんっと、心臓が鳴る。


「はい」


返事をして駆け寄る、灰野くんのすぐ傍。


これでいい、みたいに頷いた灰野くんはゆっくりと歩き始めた。


森の音に、あたしの心臓が勝っていく。


「星、綺麗だよ」

と灰野くんの低い声に顔を上げた。


星空を見上げる灰野くんの横顔が、あまりにかっこよくて、綺麗で、ちょっと色っぽくて。



あたしはダメになりそうだ。

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