【完】俺がどんなにキミを好きか、まだキミは知らない。
「はぁ……きれい」
灰野くんって、なんでこんなに魅惑的なんだろう。
「藍田さん星好き?」
星。そうだ星だった。
すぐに視線をもっと真上にずらす。
木々の隙間から見える濃紺の空に、色を付ける星は小さく震えながらと光を零している。
キラキラと降ってきそうな輝きにはうっとりしてしまう。
灰野くんの隣で見る星って言うのは、こんなにトクベツ。
でももっと綺麗なものを、あたしは見たことがある。
灰野くんにとっては思い出したくなくて、忘れてほしいと言われた、「あの日」の出来事。