【完】俺がどんなにキミを好きか、まだキミは知らない。
***
あれは中1の3/14。
あたしと灰野くんが付き合って1カ月を迎えようとしたその日。
ホワイトデーっていうのは、なんでこんなにソワソワするんだろう。
「絶対くれるって!だって彼氏じゃん!」
「そっかなぁ」
友達はみんな、あたしの恋を興味津々に眺めている。
「ねぇねぇ!もうキスしたの!?」
話の延長で誰かが言った。それにあたしは大袈裟なほど否定に頭を振る。
「ないない!あるわけないでしょ!」
あたしの顔は真っ赤で、みんなそれをからかう。
「胡桃可愛いー!今日はホワイトデーなんだからいってみたら?!したいんでしょ?」
「……そりゃ、したいけど。でも言えるわけないよ」
「ってか、女の方から言わせるってどうなの?」
話に割り込んだのはナギちゃんだった。