【完】俺がどんなにキミを好きか、まだキミは知らない。
「そういうことなら全然助けるし!」
「みんなで鬼ごっこしてたよな!ここにいるみんなで!」
「してたしてた!灰野がナギにタッチしようとしたら突っ込んじゃったんだもんね!」
いつの間にかケラケラと笑いながらみんなはストーリーを作り上げる。
「みんなぁ……ありがとう……」
あたしは泣きそうだ。
ナギちゃんが神様に見えた。
「ナギちゃんがいてよかった。ありがとう……!」
「あとで肉まんおごれよ」
「うん!!」
灰野くんの手のひらをハンカチで抑えながら、あたしたちはまず保健室に行ったんだよね。
でもびっくりするくらい気まずくて。
灰野くんは俯いたまま一言も話さないし……。
あのときの居心地の悪さだけ、生々しく残っている。