【完】俺がどんなにキミを好きか、まだキミは知らない。
変わり映えしない木々の中、ただ歩く。また沈黙だ。


何話せばいい?

何か話題……。なんで思いつかないの。


なんもしてないのに左胸がドクドクとうるさいし、嫌になる。



あれ?

藍田さんの足が遅い。


立ち止まって振り返ると、たしかにすぐ後ろを歩いている。


だけど、俯いていて。


星さえ見る気ないか。


「……っく」


え?


「藍田さん?」


……泣いてる?


立ち止まった藍田さんがごしごしと顔を拭いている。


やばい、泣いてる。

なんで!?

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