月夜に花が咲く頃に
ここは、暁関係の建物だ。


「なんで京極さんがこんなところに?」


「いや、明原から連れてこられたんだけど、あいつどっか行っちゃって・・・・・・」


「光が?」


不審がってる奥山。


ああもうこれ私が何言っても信じてくれないよ。


明原はどこに行ったんだ。


「京極さん、ここがどこだか分かってる?」


奥山は笑顔で聞いてくるけど、目の奥は笑ってなくて。


入っちゃまずい場所だったのかも。


暁関連の建物なら、そりゃあそうだよなあ。


ああもう、早く明原戻ってきてよ!


「いや、何も知らないまま連れてこられたから・・・・・・」


「知らない?」


「いや、入ってからなんとなく暁のなんかかなーとは思ったんだけど・・・・・・、」


「・・・・・・そっか」


奥山は私の答えに納得したのかしてないのか、んー、と唸りながら何か考えている。


とりあえず、怒られはしなさそう・・・・・・?


しばらく続いた沈黙は、勢いよく開いたドアの音で破れた。


「お待たせー、いやー、ごめんごめん。なかなか部屋にいた子帰ってくれなくてさー」


脳天気な明原のご登場だ。


「あれ、楓。今日は帰るの遅いっていってなかったっけ」


「光。どういうことか、説明してもらおうか」





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