月夜に花が咲く頃に
にっこりと笑う奥山の顔はもうそれは般若にしか見えなくて。


光はそれを感じ取ったのかさーっと顔色が青ざめていって。


それから小一時間、奥山のお説教が始まったのでした。








「勝手に楓の部屋に連れ込んでしまって、本当にすみませんでした」


頭にでっかいたんこぶをつけた明原が奥山に土下座をしている。


つまり、明原の言い分だとこうらしい。


私の怪我の治療をするために、暁の倉庫に連れてきた。


連れてきたはいいが明原の部屋には明原を待つ女(明原曰く昨日遊んだ女が勝手に入っていたらしい)がいて。


明原の部屋に私を入れることが出来なくなったため、急遽奥山の部屋に私を入れて、今まで女を部屋から出すため説得していた。


その間に奥山が帰ってきてしまって私と遭遇。


・・・・・・なるほど。


ここは暁のいわゆる溜まり場ってやつか。


てかこの部屋、奥山の部屋だったんだ。


どうりで奥山が怒るわけだよ。


「ごめんね京極さん。光がバカで」


「いやいや、奥山が謝るようなことじゃ。明原がバカなせいでこんなことになったんだし」


「二人とも酷くない!?」


「「うるさい」」


「ひでえ・・・・・・」


まあ治療してくれようとしたのはありがたいけど。


わざわざ溜まり場まで来る必要もなかっただろうに。






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