月夜に花が咲く頃に
「くそっ、鬼神ぃいいい!!!」
小田巻の悔しそうな声が聞こえて、紅雅が私を離す。
小田巻はみぞおちのあたりを抑えながら、部屋のドアによりかかってこちらを睨みつけていた。
ドアの向こうではまだ喧嘩が続いている。
「ちっ、まだ立ち上がれんのか」
「うるせえ!今度こそ俺は、一番になるんだっ、諦めてたまるかよっ・・・・・・」
まだ負けてない、と紅雅にふらふらと向かっていく小田巻は、たぶんもう体力も気力も限界のはずだ。
それでも拳を振り上げる小田巻は、酷く苦しそうで、もがいてるように見えた。
「湊さん、これ以上は・・・・・・!」
奈桐が止めようと声をかけるけど、小田巻には届かない。
紅雅は向かってくる奴には容赦ない。
小田巻の身体はすぐに床に打ち付けられた。
「雫、帰るぞ」
紅雅は振り返って私に手を差し出す。
紅雅の手を取ろうとしたとき、紅雅の後ろで小田巻がこちらに向かって拳銃を向けているのが見えた。
「紅雅っ、!」
――――パンッ
乾いた銃声が、響き渡る。
弾は逸れて、後ろの壁に当たった。
ビリッと裂くような痛みを腹に感じたけど、なんとかこらえる。
撃った張本人は、その場にいた誰よりも驚いたような、怯えたような表情をしていた。
小田巻の悔しそうな声が聞こえて、紅雅が私を離す。
小田巻はみぞおちのあたりを抑えながら、部屋のドアによりかかってこちらを睨みつけていた。
ドアの向こうではまだ喧嘩が続いている。
「ちっ、まだ立ち上がれんのか」
「うるせえ!今度こそ俺は、一番になるんだっ、諦めてたまるかよっ・・・・・・」
まだ負けてない、と紅雅にふらふらと向かっていく小田巻は、たぶんもう体力も気力も限界のはずだ。
それでも拳を振り上げる小田巻は、酷く苦しそうで、もがいてるように見えた。
「湊さん、これ以上は・・・・・・!」
奈桐が止めようと声をかけるけど、小田巻には届かない。
紅雅は向かってくる奴には容赦ない。
小田巻の身体はすぐに床に打ち付けられた。
「雫、帰るぞ」
紅雅は振り返って私に手を差し出す。
紅雅の手を取ろうとしたとき、紅雅の後ろで小田巻がこちらに向かって拳銃を向けているのが見えた。
「紅雅っ、!」
――――パンッ
乾いた銃声が、響き渡る。
弾は逸れて、後ろの壁に当たった。
ビリッと裂くような痛みを腹に感じたけど、なんとかこらえる。
撃った張本人は、その場にいた誰よりも驚いたような、怯えたような表情をしていた。