月夜に花が咲く頃に
小田巻の前にしゃがみ込み、湊さん、と声をかける。
小田巻は顔を合わせられないのか、下を俯いたままだった。
すると、途端に奈桐が小田巻の顔を両手で無理矢理上げて、視線を合わせる。
そして、それはそれは痛そうな頭突きを一発お見舞いした。
「っ、な、何しやがん、」
「しっかりしてくれよ湊さん!」
「あぁ?てめえ、何言って、」
「あんたがいなくなったら、俺が困るんだ!だから、お願いだから、ここで俺らを引っ張ってくれよ!あんたが間違ったら、俺が正しい道に連れ戻すから!あんたが倒れそうになったら、俺が支えるから!一人になんて、させねえから!」
奈桐の声が、言葉が、小田巻に届いたかは、分からないけど。
奈桐も、小田巻もそのでかい身体を震わせていて。
私と紅雅は、静かにその場を去った。
「雫ちゃん!よかった、無事だったんだね」
外に出ると、暁の人たちと楓がバイクの前で待っていた。
「楓・・・・・・。ごめん、足引っ張っちゃった」
俯いて謝ると、楓は私の頭をなでる。
「雫ちゃん、顔上げて。雫ちゃんが無事ならそれでいいんだよ」
もっと怒られるかと思ったのに、予想外の優しい言葉をかけられて戸惑ってしまう。
小田巻は顔を合わせられないのか、下を俯いたままだった。
すると、途端に奈桐が小田巻の顔を両手で無理矢理上げて、視線を合わせる。
そして、それはそれは痛そうな頭突きを一発お見舞いした。
「っ、な、何しやがん、」
「しっかりしてくれよ湊さん!」
「あぁ?てめえ、何言って、」
「あんたがいなくなったら、俺が困るんだ!だから、お願いだから、ここで俺らを引っ張ってくれよ!あんたが間違ったら、俺が正しい道に連れ戻すから!あんたが倒れそうになったら、俺が支えるから!一人になんて、させねえから!」
奈桐の声が、言葉が、小田巻に届いたかは、分からないけど。
奈桐も、小田巻もそのでかい身体を震わせていて。
私と紅雅は、静かにその場を去った。
「雫ちゃん!よかった、無事だったんだね」
外に出ると、暁の人たちと楓がバイクの前で待っていた。
「楓・・・・・・。ごめん、足引っ張っちゃった」
俯いて謝ると、楓は私の頭をなでる。
「雫ちゃん、顔上げて。雫ちゃんが無事ならそれでいいんだよ」
もっと怒られるかと思ったのに、予想外の優しい言葉をかけられて戸惑ってしまう。