月夜に花が咲く頃に
「ふぁ!?」


な、何してんのこいつ!?


動揺する私を知ってか知らずか、いや、絶対分かってるんだろうけど、紅雅はその行為をやめようとはしない。


腕の傷に唇を這わせて、そのたびに紅雅の柔らかい毛先が胸をくすぐってくる。


くすぐったい、っていうか、なんか、変っ・・・・・・。


「んっ!」


突然舌の感触が腕の傷を刺激する。


ほんとに、何してんのっ・・・・・・!


唇をかみしめながら紅雅を睨むと、紅雅が上目遣いで舌を出したままこっちを見てきた。


その顔が悔しいほど艶めかしくて、すぐに目をそらしてしまう。


紅雅の髪も、息も、胸に当たって、そのたびに反応してしまう。


全身の力が抜けて、頭もふわふわして、息も乱れて。


そんな私を見て、ようやく紅雅は腕を舐めるのをやめた。


その手が私の頭に触れ、優しくなでる。


抗うことなんて出来なくて、目の前の紅雅の顔をぼーっと見つめることしかできなかった。


紅雅は満足そうに、私を抱きしめる。


「心配させたお前が悪い」


耳元で、紅雅がささやく。


そう言われると、何も言えないじゃないっ・・・・・・。


紅雅はそのまま、私の首に顔を埋めた。


紅雅の唇が私の首に吸い付いてくる。


「っ、んぁ」


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