月夜に花が咲く頃に
弐
海ですっかり遊び尽くした私たちは、宿に向かい料理を食べてまったり。
お風呂から上がって部屋に戻ってくれば、フカフカの布団が5人分敷かれていた。
「・・・・・・ねえ、ずっと思ってたんだけどさ、」
「何だ?」
「何で一部屋なの?」
翼がついに口にした言葉に私も頷く。
宿について通された部屋は一つ。
布団も一部屋に5つ。
つまり・・・・・・、男女、相部屋。
「おかしいでしょ!!!」
「えー、だって別々だとつまんねえじゃん」
「だってじゃないわよ!」
「はいはーい、まあ、そんな怒るなよ。もう変えられないんだしー」
翼の怒鳴り声を右から左に聞き流す光。
何を言ったところで現状は変わらないことを悟った私は、ギャーギャー言い合う二人を放っておいて、端っこの布団に寝転んだ。
うん、気持ちいい。
ゆっくりとまぶたを閉じる。
なんだかんだで、今日一日楽しかったな。
どっかのチャラ男にキスマ・・・・・・、痕付けられたり、見知らぬ男に追いかけられたりしたけど。
海で泳いだり、ビーチボールしたり。
砂浜に座って焼きそば食べたり。
初めてのことだらけで、ドキドキした。
思い出すと、くすぐったくて、顔がにやけてしまいそうだ。
こんなに楽しい夏は、初めてかもしれない。
「ほら、二人とも。そろそろ寝るよ」
翼と光の不満そうな声も、だんだん小さく、遠くなっていく。
騒がしいみんなの声が子守歌になっていって、心地よくて。
頭のあたりに、何か暖かな温もりを感じながら、それがなんなのかも分からないまま、私は静かに眠りについた。
お風呂から上がって部屋に戻ってくれば、フカフカの布団が5人分敷かれていた。
「・・・・・・ねえ、ずっと思ってたんだけどさ、」
「何だ?」
「何で一部屋なの?」
翼がついに口にした言葉に私も頷く。
宿について通された部屋は一つ。
布団も一部屋に5つ。
つまり・・・・・・、男女、相部屋。
「おかしいでしょ!!!」
「えー、だって別々だとつまんねえじゃん」
「だってじゃないわよ!」
「はいはーい、まあ、そんな怒るなよ。もう変えられないんだしー」
翼の怒鳴り声を右から左に聞き流す光。
何を言ったところで現状は変わらないことを悟った私は、ギャーギャー言い合う二人を放っておいて、端っこの布団に寝転んだ。
うん、気持ちいい。
ゆっくりとまぶたを閉じる。
なんだかんだで、今日一日楽しかったな。
どっかのチャラ男にキスマ・・・・・・、痕付けられたり、見知らぬ男に追いかけられたりしたけど。
海で泳いだり、ビーチボールしたり。
砂浜に座って焼きそば食べたり。
初めてのことだらけで、ドキドキした。
思い出すと、くすぐったくて、顔がにやけてしまいそうだ。
こんなに楽しい夏は、初めてかもしれない。
「ほら、二人とも。そろそろ寝るよ」
翼と光の不満そうな声も、だんだん小さく、遠くなっていく。
騒がしいみんなの声が子守歌になっていって、心地よくて。
頭のあたりに、何か暖かな温もりを感じながら、それがなんなのかも分からないまま、私は静かに眠りについた。