月夜に花が咲く頃に
海から帰ってきて、夏休みも残りわずか。



光とゲームで対戦しながら、平和な1日が終わろうとしていたときだった。



「雫」



不意に紅雅に呼ばれ振り向くと、何やら神妙な顔つきをしていて、来い、と私の手を引っ張る。



「え、ちょ、これ終わってからじゃダメなの?」



「・・・・・・大事な話だ」



紅雅のあまりにも真剣な声色に少し肌がピリついた。



なんだろ、急に・・・・・・。



少し不安を感じながら、光を一人残して紅雅の後についていく。



紅雅の部屋につくと、紅雅はドアを閉めて、私に座る様に促した。



「・・・・・・」



「・・・・・・」



え、なんで何も言わないの?



「く、紅雅?」



寝てんのか?と隣に座った紅雅の顔をのぞき込むと、紅雅の瞳に私が映る。



なんとなく目をそらすことが出来なくて、しばらくそのままでいたら、紅雅の口がゆっくりと開いた。



「俺が、お前を探してた理由」



・・・・・・え?



ああ、そういえば、紅雅が私をずっと探してたって、楓とかが言ってたっけ。



今までずっと聞けずにいたなあ。



「うん、教えて?」



気にはなっていたことだし。



紅雅が話してくれるなら、聞きたい。



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