月夜に花が咲く頃に
――――陽向が生まれてから1年と少しがたった。
ひゅ、と風が吹いて、紅葉がはらはらと舞っては落ちる。
陽向がすやすやと眠る横で、私はヒロ兄と遊んでいた。
お父さんは仕事中で、お母さんは買い物中。
家の中には、子供三人だけだった。
「ヒロ兄、見て見て!夕日すごく綺麗だよ!」
窓の外を赤く染め上げる夕日を指さす。
「うお、すげえな。町が真っ赤だ」
もうじき沈もうとしている夕日。
平和な1日が終わろうとしていた、そんな時だった。
――――プルルルルル
・・・・・・電話?
突然鳴った電話に肩を揺らす。
一体誰から・・・・・・。
私は受話器を手に取って、耳に押し当てた。
「もしもし?」
受話器から聞こえてきた声は、知らない男の人の声で。
耳に入ってきたその声を、なかなか私の脳は理解してくれなかった。
「お母さんが、事故・・・・・・・・・・・・?」
力が、抜ける。
視界の端に、寝ていたはずの陽向が泣きじゃくる姿と、陽向をあやしながら心配そうにこちらを見ているヒロ兄の姿が見えた。
ひゅ、と風が吹いて、紅葉がはらはらと舞っては落ちる。
陽向がすやすやと眠る横で、私はヒロ兄と遊んでいた。
お父さんは仕事中で、お母さんは買い物中。
家の中には、子供三人だけだった。
「ヒロ兄、見て見て!夕日すごく綺麗だよ!」
窓の外を赤く染め上げる夕日を指さす。
「うお、すげえな。町が真っ赤だ」
もうじき沈もうとしている夕日。
平和な1日が終わろうとしていた、そんな時だった。
――――プルルルルル
・・・・・・電話?
突然鳴った電話に肩を揺らす。
一体誰から・・・・・・。
私は受話器を手に取って、耳に押し当てた。
「もしもし?」
受話器から聞こえてきた声は、知らない男の人の声で。
耳に入ってきたその声を、なかなか私の脳は理解してくれなかった。
「お母さんが、事故・・・・・・・・・・・・?」
力が、抜ける。
視界の端に、寝ていたはずの陽向が泣きじゃくる姿と、陽向をあやしながら心配そうにこちらを見ているヒロ兄の姿が見えた。