月夜に花が咲く頃に
そこからは、あまり記憶がない。
いつの間にか息を切らしたお父さんがいて、いつの間にかお母さんの葬式が淡々と終わっていった。
後からお父さんと二人で警察の話を聞いた。
お母さんが助けた子供は、ちょうど私と同じくらいの歳の女の子だったらしい。
お父さんは悲しそうに笑いながら、お母さんのことだから、きっと放っとけなかったんだな、と涙を流した。
そういえば、お母さんが助けたという女の子の家族も葬式に来ていた。
私とお父さんに、その女の子とお母さんはすごく申し訳なさそうに頭を下げて、お母さんに手を合わせて帰って行った。
・・・・・・恨む気になんて、なれなかった。
何も、感情がわいてこなかった。
そして数週間後。
お母さんの後を追うように、お父さんが死んだ。
母を失った悲しみと、精神的な疲労、そして、これから私と陽向を一人で育てなければというプレッシャー。
なんとか一人で家族を守ろうと、家のことも仕事も、背負いすぎた。
精神的にも肉体的にも疲れ切った父親は、仕事中に倒れてそのまま息を引き取った。
どうして、こうなった?
幸せだった。
あんなに、幸せだったのに。
いつの間にか息を切らしたお父さんがいて、いつの間にかお母さんの葬式が淡々と終わっていった。
後からお父さんと二人で警察の話を聞いた。
お母さんが助けた子供は、ちょうど私と同じくらいの歳の女の子だったらしい。
お父さんは悲しそうに笑いながら、お母さんのことだから、きっと放っとけなかったんだな、と涙を流した。
そういえば、お母さんが助けたという女の子の家族も葬式に来ていた。
私とお父さんに、その女の子とお母さんはすごく申し訳なさそうに頭を下げて、お母さんに手を合わせて帰って行った。
・・・・・・恨む気になんて、なれなかった。
何も、感情がわいてこなかった。
そして数週間後。
お母さんの後を追うように、お父さんが死んだ。
母を失った悲しみと、精神的な疲労、そして、これから私と陽向を一人で育てなければというプレッシャー。
なんとか一人で家族を守ろうと、家のことも仕事も、背負いすぎた。
精神的にも肉体的にも疲れ切った父親は、仕事中に倒れてそのまま息を引き取った。
どうして、こうなった?
幸せだった。
あんなに、幸せだったのに。