月夜に花が咲く頃に
「光、質問攻めはそのくらいにしろ」


奥山の天の一声で私は明原のマシンガントークから解放された。


「ごめんね、京極さん。つい脅すようなことしちゃって。俺たち、ヨルを探してるんだ」


さっきと打って変わって、スペシャル笑顔を私に向ける奥山。


そんな笑顔を向けたって私はもうお前が腹黒だって感づいてるからな。


だまされないからな。


「何でヨルを探してるの?」


「まあ、うちの総長さんがずっと探してる人だからねえ」


奥山は私の後ろにいる鬼神に視線を投げかける。


というかいたんかお前。


あまりにも何も言わないからすっかり存在忘れてたよ。


奥山につられて後ろを振り返ると、鬼神はずっと私を見ていたようで、がっつり目が合った。


「・・・・・・寝る」


「はい?」


「そいつ、送っとけ」


それだけ言って鬼神は部屋を出て行ってしまった。


なんだあいつ。


いきなり現れたと思ったらいきなりいなくなったぞ。


読めないっていうか、訳分からないやつだな。


「さて、じゃあそろそろ帰ろうか。ごめんね京極さん、時間とらせちゃって」


「え、ああ、もう別にいいけど」


「光、俺京極さんのこと送っていくから、紅雅が起きたら言っといて」




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