月夜に花が咲く頃に
「教えてよ・・・・・・。どうすればいいのよぉ、」



子供みたいに、泣きじゃくって。



紅雅の胸を叩いて、殴って。



紅雅は相も変わらず黙って私の言葉を聞いていた。



分かってるの。



紅雅が悪くないことも、私が紅雅を責めるのを、きっとヒロ兄も望んでないことも。



「分かってる・・・・・・。紅雅を責める理由なんて、きっと私にはない。責める資格なんて、ほんとはっ、」



理不尽だって。



めちゃくちゃだって。



ただの八つ当たりだってことも。



紅雅は、最後まで何も言わなかった。



私に何を言われても、責め立てられても、何度叩かれても。



ただ黙って、何もせずに私の話を聞いていた。








しばらくして落ち着いてから、私と紅雅はヒロ兄の病室に戻った。



ヒロ兄は穏やかな顔で眠ったまま。



私と紅雅はそれから一言も言葉を交わさないまま、萩野さんに挨拶だけして病院を出た。





それから紅雅とはなんとなく距離ができて、話さなくなった。



楓とか光が心配してくれていたけど、何も話すことは出来なかった。



そうして紅雅と話さなくなって月日は流れていき、夏休みもいつの間にか終わって、二学期が始まった。



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