月夜に花が咲く頃に
「あー、もう、びっくりしたあ。驚かせんなよなー」


「ほんとに心臓に悪いことしないでよね!あー、もう、叫んだらお腹すいてきちゃった」



光と翼はやっと落ち着いたのか、再び座り直してご飯を食べ始めた。



紅雅はなぜか未だに私を睨んできてるけど。



「どんまい、紅雅」


「うるせえ」



腑に落ちないまま私もご飯に手をつける。



楓だけがなぜか楽しそうに笑っていた。



急に変なこと言い出すんだから、本当やめてほしい。



付き合うとか、よく分からないし。


恋すらしたこともない私が、誰かと付き合うなんて想像もつかない。


・・・・・・でもいつか、私も誰かと恋愛したりとか、するのかな。


どんな人とするんだろう。



しばらく考えて、一番最初に出てきたのはなぜかヒロ兄で。



急に恥ずかしくなって、ぶんぶんと頭を振った。



なんでヒロ兄が今出てきたんだ。


ヒロ兄は幼い頃から遊んでくれた、お兄ちゃんみたいな存在。


そんなヒロ兄に恋なんて・・・・・・。



ない、絶対ない。



「おい」


「んぎゃあ!な、ないから!絶対あり得ないから!」


「・・・・・・何がだ」



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