月夜に花が咲く頃に
「あ、そうだ。光、頼みたいことがあるんだけど」


「ん?どうした?」


「先生から明日放課後に残るように言われちゃって・・・・・・。申し訳ないんだけど、明日陽向の幼稚園のお迎え頼めないかな?」


「ああ、別にかまわねえよ?陽向、明日は俺が迎えに行くからな!」


「マジ?やったー!じゃあ帰り道競争して帰ろうぜ!」


「お、いいぜ?俺負けねえぞー」



陽向と光がはしゃいでるのを見て、ほっとする。


放課後に用事が出来ちゃうと、陽向のお迎えに支障が出てしまうのは今後の課題だなあ。



「放課後に用事って一体何だろうね?」


「んー、私もちゃんと聞いてないんだけど、なんかの資料をまとめるとかなんとか言ってた気がする」


「雫ちゃん、先生にも頼られがちだね」


「いや、ただ単に使われてるってだけな気も・・・・・・」



今日のHRで担任の先生とたまたま目が合ってしまったのが運が悪かったなあ。


しかも要件だけ言ってあの担任すぐに逃げちゃったから断ることも出来なかったし。



「まあ、できるだけ早く終わらせるからさ。それまで陽向のこと頼むよ」


「おっけー。任せといて」



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