月夜に花が咲く頃に

綺麗なままでは、何も守れないことを知った。





何かを果たすためには、それ相応の代償が必要なことを知った。





自分の手が、汚れているのを、自分の心が、醜くなっていくことを。





知られたくなくて。





知りたくなくて。





自ら闇に、身体を預けた。





自ら、ヨルになることを望んだ。





どっぷり浸かった沼からは、簡単には抜け出せない。





一度染まってしまっては、もう二度とその汚れは取れない。





それでもいい。それでもいいよ。





あなたを見つけることが出来るのなら。





またあなたの笑顔が見れるなら。





もう一度だけでいいから。





あなたに、会いたい。






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