月夜に花が咲く頃に
なんか、不思議だ。



普通の高校生だったら、これが日常なのかな。



放課後教室に残ったりして、グラウンド眺めて。



野球部とかに、好きな子がいたりして。



目が合ったら、嬉しくなったり。



真剣な表情に、惚れ直したり。




・・・・・・って、私何考えてるんだ。



この前から、恋とか好きとか、そんなことばっかり。



今までそんなこと考えたことなかったのに。




だー、もう、やめやめ!


今は仕事に集中しなきゃ。


こんな量、集中したって絶対遅くまでかかっちゃうし。


再び作業を開始する。



いつの間にか周りの音なんて聞こえないほど集中していて、終わる頃にようやく周りが物音一つしないことに気づいた。



「わ、外暗っ。部活も終わってる・・・・・・」



時計を見ればもう9時になりそう。


全然気づかなかった・・・・・・。


普通こんな時間になる前に警備員さんとかが来そうなものだけど・・・・・・。


とりあえず、もう終わったし早く帰ろう。



教室を出ると、廊下は真っ暗でなんだか気味が悪い。


・・・・・・というか、怖い。



は、早く学校から出よう。



そう思って早足で廊下を歩いていると、不意に後ろに気配を感じた。



「・・・・・・?」



いや、まさか、ね。



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