月夜に花が咲く頃に
まじで怖いんだからしょうがないだろ!



苦手なんだよ!ホラーとか、怖い系は専門外なの!



「ふっ」



「な、笑うな!」



ちくしょうやっぱり馬鹿にしてやがる。



未だに震えがおさまらない私を、紅雅は優しく抱きしめた。



「なっ、」


「悪かったよ。怖がらせるつもりはなかった」


「っ、う、るさい、」



くそ、むかつく。



なんでこいつにはこんなかっこ悪いとこばっか・・・・・・。



でも、紅雅の体温が、温かくて。なんだかほっとして。



無意識に、紅雅の服を握りしめて、紅雅の胸に顔を埋めて。



・・・・・・ほんと、どうかしている。




「遅いから、迎えに来た」



「・・・・・・」



「帰るぞ」




紅雅が私の手を引く。



ほんとに、悔しいけど、ムカつくけど。



紅雅が手を引いてくれた帰り道は、全然怖くなくて。



私は、紅雅の手を離すことが出来なかった。






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