月夜に花が咲く頃に
「ちょっと何すんだ!」


「いいからじっとして寝てなさい!」


「なんでちょっとお母さんみたいなんだよ!別にこのくらいどうってことないって」


「心配なんだよ!」



へ、・・・・・・?



急に怒鳴り声を上げた光に、目をぱちくりさせる。



光の目は思っていたより真剣で、真面目に怒ってるみたいで。



何をそんなに怒っているのか分からなかった私は首をかしげた。



「さっきだって倒れそうになってたんだろうが!てめえはもっと自分のこと気にかけろ!ほんと手のかかるやつだな!こんなんだったら陽向の方がよっぽど利口だぞ!」


「・・・・・・ご、ごめんなさい」



気迫負けして、思わず謝ってしまったけど。



・・・・・・そっか。



私、疲れてたのか。



心配、かけてたのか・・・・・・。



昨日の陽向を思い出す。



そういえば陽向にも心配かけてた。



「お前が思ってる以上に周りはお前のこと見てんだよ」


「・・・・・・うん」


「陽向も言ってたぞ。姉ちゃんは俺が弟だから俺には絶対弱音とか吐かないって」



陽向が・・・・・・?



私、そんなに無理してるように見えてたの?



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