月夜に花が咲く頃に
「まあ気持ちは分かるけけどよお。もうちょっと陽向に甘えたっていいんじゃねえの?」


「だって・・・・・・。自分で守るって決めたんだよ。それなのに、守ろうとしてるのに甘えるって、矛盾してない?」


「ばーか。甘えることがそいつを救うときだってあるんだよ」



光の言ってることがよく分からない。



でも、これまでの私の言動で陽向に心配かけていたのも事実だ。



「・・・・・・難しい」


「そんなもんだろ。お前もやっと人間らしくなってきたな」


「どういう意味よ」


「そのまんまー」



なにげに失礼な光の発言にはムカついたけど、まあそれは一旦置いといて。



・・・・・・帰ったら、陽向とちゃんと話をしよう。



もっとちゃんと話さないと。



これからも、陽向を守るために。



必要なことだと、思うから・・・・・・。










そう、決意したのに。







数時間後に光と陽向を迎えに幼稚園に行ったら。




「あ、陽向くんのお姉さん・・・・・・!申し訳ありません、陽向くん、目を離していた隙にいなくなってしまって・・・・・・!」





陽向は、そこにいなかった――――・・・・・・。








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