月夜に花が咲く頃に
その後、私たちは幼稚園に謝りに行ってから、倉庫に帰ってきた。



「いやー、よかったよかった。無事見つかって」


「ほんとほんと。どっかの誰かさんみたいに、命の危険も幸いなかったしよかった」


「うっ・・・・・・。それは、今言うのはずるいだろ!」


「いやー、あの時はほんと大変だったなー」


「悪かったって!」



いつもの日常風景に、ほっとしている自分がいる。



また、たくさん迷惑をかけた。



「みんな、ごめんね」



みんなに謝ると、なぜかみんな微妙な顔をする。



・・・・・・なんでそんな顔?



「はあ・・・・・・。お前、また迷惑かけちゃったー、とか思ってるわけ?」


「え、だって、」



言いかけて、はっと保健室での光との会話を思い出した。






“甘えることが人を救うこともあるんだよ”






・・・・・・そうだ。



知ってるじゃんか。




ごめん、じゃない。





「ありがとう」





自然と笑みがこぼれてそう言うと、みんなも満面の笑みを返してくれた。




これだからほんと、こりゃあもう、私はここから離れることは無理そうだ。












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