月夜に花が咲く頃に
「じゃあ、接客する人と裏方とで分けるから、希望を黒板に書いてってねー」


クラス委員の子が、ガヤガヤする教室に呼びかける。


不良校の割に、こういうことは意外とちゃんとやるこの学校。


みんなのやる気もすごくて、次々に席を立って黒板の前に行く。


まあ、鬼神や奥山は興味なさそうに席に座ってるんだけど。


あいつらに関しては、学校に来るようになっただけまだましなのかもしれない。


仲間宣言されてからは、ちゃんと毎日学校に来てるらしい三人組。


まあほとんど寝てたり教室にいなかったりだけど。


なぜ来るようになったかは・・・・・・謎だ。


「雫!私たちも早く行こう!」


「え、ああ、そうだね」


翼に手を引かれて、私たちも黒板の前へ。


翼は迷うことなく接客の方へ自分の名前を書いた。


私は裏方でいいかな。


接客やりたい人、いっぱいいるし。


そう思って裏方の方に自分の名前を書こうとすると、その場にいた全員から腕を掴まれた。


「え、何、」


「京極さん!京極さんは接客決定だから!」


「え、えぇ!?」


「そうだよ雫ちゃん!裏方は俺らやるし、雫ちゃんは接客お願い!」


「なんのためにコスプレ喫茶にしたと思ってるの!?」


最終的にはなぜか怒られる始末。


解せない。





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