月夜に花が咲く頃に

「この机ってどこに運ぶんだっけ」


「ペンキ足りねえ!追加買ってきてー!」


いつもよりも騒がしい教室。


いつも喧嘩ばかりしている不良達も、文化祭の準備となると協力的になるらしい。


文化祭まで残り二週間をきった今、学校中が大忙しだ。


鬼神達も、面倒くさいとか言うのかと思ったら、結構真面目に参加している。


明原も参加するつもりないとか言っておきながら、女の子たちと楽しそうにおしゃべりしながらたこ焼きの道具を運んでいる姿を廊下で見かけた。


参加しないとか言ってなかったっけ?とか聞いてみたら、女の子たちに一緒にやろうって言われちゃったら断れないよね~とか言ってきた。


そういえばチャラ男だったなあいつ。


「雫ー!見て見て、私の衣装!」


看板を作ってた私の前に、すっごいどエロい魔女が現れた。


「わ、すごいね」


その衣装を嬉しそうに見せてくる翼。


オフショルダーの型で作られていて、胸元はがっつり開いていて谷間がもろに丸見え。


スカートの丈も膝上15㎝くらいで、太ももがチラチラ見える。


なんてセクシーな衣装。翼にはめちゃくちゃ似合ってるけど。


私と看板を一緒に作ってた男子がその姿に鼻血を吹き出す。


あーあー、コスプレ喫茶の看板なのにお化け屋敷みたいな血しぶきがかかっちゃったよ。


作り直しだなこれは。





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