月夜に花が咲く頃に
「あ、あのさ、ちょっと露出激しくない・・・・・・?」


一通り試着が終わって制服に着替えながら衣装係の子達におずおずと尋ねると、衣装係の子達は顔を見合わせあってから、なぜかグッドサインを出してきた。


「大丈夫!雫ちゃんだから!」


どういうことだ。


結局試着はそれで終わり、私はようやく解放された。


廊下に出て、思いっきり身体を伸ばす。


明日、ちょっと不安になってきたかもしれない。


まあ、頑張るしかないんだけど。


思ったより、覚悟がいるコスプレ喫茶になりそうだ。


教室に戻ろうと歩き出すと、遠くから何やら話し声が聞こえてきた。


「ねえ、いいでしょー?今しちゃおうよ」


「えー?でも準備中だよー?」


何やらいちゃつく男女の声。


男の声の方に聞き覚えがあって、そっと声が聞こえてきた教室を覗くと、そこには女の子を足の間に座らせている明原の姿が。


わお。


まさか学校でこんなところを目撃するなんて。


パニックで、すぐどこかに避難しようと思ったけど、なぜか足がその場から動いてくれなかった。


「ねえいいじゃん。誰もいないしー。二人きりだよ?」


どうやら女の子の方が積極的らしい。


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