月夜に花が咲く頃に
「おーおー、そんな泣くな泣くな。男だろ?」


金髪男は子供をあやし、右手に持ってたボールを子供に渡した。


「もう上にあげんじゃねえぞ」


ニカッと笑ったそいつは、見知った顔だった。


太陽にキラキラ反射する金髪が、すごくまぶしい。


「雫、大丈夫!?・・・・・・って、なっなんでっ、」


私に追いついた翼が、男を指さし口をあんぐり開ける。


男は服についた土を軽く払いながら、私たちを見てまたニカッと笑った。


「あ、明原光ううううう!!!?」









「いやー、まさかあの雫ちゃんと放課後に会えるなんて」


「ちょっと!雫の名前馴れ馴れしく呼ばないでよ!」


「えー、じゃあ京極ちゃん?」


「名字もだめ!」


「なんでだよー。そんな敵意持たなくてもいいじゃん、ギャルちゃん」


「ウインクすんな!キモい!」


・・・・・・何でこんなことになったのか。


私たちは、公園のベンチに座ってなぜかおしゃべり。


まあほぼ一方的に明原が話しかけて翼がつっけんどんに返してる感じなんだけど。


「大体、何であんたみたいなやつがこんなとこにいんのよ」


「今日は女の子との約束なかったし、暇だったからぶらついてたんだよねえ」


「・・・・・・信じられないほどのチャラ男っぷりね。私ほんとにそういう男大っ嫌い」









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