月夜に花が咲く頃に
伍
――――文化祭当日。
私のクラスはたくさんの人でごった返していた。
コスプレのクオリティが高いと、学校中でいつの間にか噂になったらしく、午後になった今は午前中よりも人だかりが出来ている。
昨日のこともあり、あまり眠れないまま迎えた文化祭。
あくびをかみ殺しながら、メイド服を着て接客中だ。
もう覚悟は決めていたため、もうやけくそでメイド風の言葉をつらつら並べる。
多少棒読みかもしれないが、まあ及第点はくれるだろう。
入り口のところでお客さんを中に案内していると、明原がぴょこん、と姿を現した。
「やっほー、雫ちゃん。メイド服、かわいいね」
前よりも、少し吹っ切れたような笑顔で。
「明原、あんた自分のクラスは?」
「俺午前中の当番だったからもう終わったの。そういえば、紅雅と楓はいないの?」
「二人なら裏で料理作ってるよ」
「なーんだ、じゃあ二人ともコスプレはしてないのか」
明原が残念そうに口を尖らせる。
まあ、あの二人が表立ってコスプレなんてするわけがないよね。
顔がいいから絶対コスプレは似合うだろうし、売り上げも間違いなく上がるだろうけど。
「・・・・・・せっかく来たんだし、お茶していけば?」
「え、いいの?雫ちゃんのことだから、早くどっか行けー、とか言われんのかと思ったんだけど」
私のクラスはたくさんの人でごった返していた。
コスプレのクオリティが高いと、学校中でいつの間にか噂になったらしく、午後になった今は午前中よりも人だかりが出来ている。
昨日のこともあり、あまり眠れないまま迎えた文化祭。
あくびをかみ殺しながら、メイド服を着て接客中だ。
もう覚悟は決めていたため、もうやけくそでメイド風の言葉をつらつら並べる。
多少棒読みかもしれないが、まあ及第点はくれるだろう。
入り口のところでお客さんを中に案内していると、明原がぴょこん、と姿を現した。
「やっほー、雫ちゃん。メイド服、かわいいね」
前よりも、少し吹っ切れたような笑顔で。
「明原、あんた自分のクラスは?」
「俺午前中の当番だったからもう終わったの。そういえば、紅雅と楓はいないの?」
「二人なら裏で料理作ってるよ」
「なーんだ、じゃあ二人ともコスプレはしてないのか」
明原が残念そうに口を尖らせる。
まあ、あの二人が表立ってコスプレなんてするわけがないよね。
顔がいいから絶対コスプレは似合うだろうし、売り上げも間違いなく上がるだろうけど。
「・・・・・・せっかく来たんだし、お茶していけば?」
「え、いいの?雫ちゃんのことだから、早くどっか行けー、とか言われんのかと思ったんだけど」