月夜に花が咲く頃に
何やら大変な状況らしい。


確かに、今の状況で誰かが欠けるのはまずそうだ。


どうしよう、と青ざめる女の子たち。


その一人と、バチッと目が合った。


「・・・・・・かくなる上は」


目が合った女の子が、私の前まで来る。


女の子は、私の手をがしっと掴んで、うるうるさせた目を私に向けた。


「雫ちゃん!お願い!」


「え、えぇ・・・・・・」








――――数分後。


メイド服から着替えた私は、再びクラスへと戻った。


・・・・・・執事服を着て。


男の子の代用だから、と男装させられた始末である。


男の子に頼むという案はなかったんだろうか。


まあ、もう何も言うまい。


クラスに顔を出すと、ざわっとどよめきが起こる。


そんな中翼が駆け寄ってきた。


「し、雫!?どうしたのその格好・・・・・・!」


「あー、実は色々あってさ・・・・・・」


軽く事情を説明すると、翼はあんぐりと口を開けた。


「ええ・・・・・・。なにその貧弱男子・・・・・・」


「まあまあ。緊急事態だししょうがないよ」


さあ、もう一踏ん張りしましょうか。


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