月夜に花が咲く頃に
一体どこへ行こうとしてるんだろう。


しばらくずっと歩き続けて、明原がようやく入ったのは一般生徒立ち入り禁止の文化祭では使われていない空き教室だった。


こんなところに何の用なんだろう。


明原は教室のドアを閉めてから、ようやく私の腕を離した。


「よし、じゃあ、脱いで」


「はい?」


唐突すぎる理解不能な言葉に、目が点になる。


「な、何言ってんの明原」


「背中。絶対痛いでしょ」


明原はさっきコーヒーがかかった部分を指さした。


あ、そういうことか。


「いやいやいや、あれくらい、なんともなかったし!ほっといても大丈夫だよ」


「雫ちゃん。言うこと聞かないなら、脱がすぞ?」


「・・・・・・」


いつになく真剣な表情で迫ってくる明原。


冗談を言っているわけではなさそうだ。


なんとか明原を止めようとするが、何をしても明原が止まる気配はなく。


「分かった!分かったから!あっち向いてて!」


結局私が折れることに。


明原が後ろを向いたことを確認して、上着を脱いでいく。


・・・・・・うわ、そういえばさらし巻いてたんだった。


さらし取ったらもう裸じゃん。


え、さすがにやばくない?


やばいよね?


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