月夜に花が咲く頃に
「な、なんで暁の奴らがいんのよ!」


放課後になり、校門前。


案の定、翼は金切り声を上げて三人を威嚇していた。


・・・・・・犬か。


「ごめん、断り切れなくて・・・・・・」


「雫、こいつらとどういう関係なの!?なんか弱みでも握られた!?」


うん、まああながち間違ってないけども。


さあどうやって説明しようか・・・・・・。


「まあまあギャルちゃん、久しぶりの再会だし、もっと喜ぼうぜ?」


「誰が喜ぶかっ、バカチャラ男!」


おお、犬がキャンキャンと吠え合ってる。


端から見たら意外といいコンビだよあんたら。


「今日の勉強会、この三人も一緒にしたいんだって。ごめんね翼、勝手に決めてしまって」


「悪いのは雫じゃないもん。私が怒ってるのはこの三人に対してよ!」


「・・・・・・ギャーギャーうるせえ女だな。面倒くせえ」


「なっ、態度悪っ!暴走族の総長だかなんだか知らないけど、あんたなんかに雫は渡さないんだから!」


「え、じゃあ俺ならいいの?」


「だめに決まってんでしょくそチャラ男!」


いやー、元気がよろしいなあ。


「やっぱり、七色さん怒ってるね。ごめんね、ほんと」


「いや、まあ、なんだかんだ仲いい部類に入るんじゃない、あれは。翼も怒ってるけど、家について勉強始めれば光と一緒に教科書とにらめっこして静かになるでしょ」


「それもそうか」


< 86 / 225 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop