月夜に花が咲く頃に
とりあえず、三人の言い争いを止めて、私の家へ。


途中の道でも翼と光はぎゃいぎゃいと言い合っていたが、もう気にしないことにした。


「おお、ここが雫ん家?」


「うん。ここの8階」


「ここに家族と住んでんのか?」


「いや、私高校から一人暮らしだから」


「ほえー」


エレベーターに乗って、8階まで上がる。


鞄から鍵を取り出してドアを開けると、途端に光が部屋の中に飛び込んでいった。


「いえーい!雫ん家だー!」


「ちょっと!私より先に上がんないでよ!」


ほんとに元気が有り余ってるな。


すごい勢いで入っていく二人に苦笑しながら、その後に続く。


光は私のベッドにダイブしていて、それに対して翼がカンカンにキレていた。


「あんた何やってんのよ!さっさとどけなさいよ!」


「へっへーん。雫のベッドは俺が占拠したー!」


何やってんだあいつら。


呆れ顔で見ていると、隣にいた紅雅がスタスタと光に向かって歩いて行く。


光をベッドからベリッと剥がしたかと思ったら、その直後に光の頭にげんこつを落とした。


「いってええええ!!!」


そのまま無言でテーブルの前に座る。


翼は自業自得だと言って光を指さして爆笑。


状況がカオスすぎてついていけない。


紅雅もそんなに怒らなくても。


ちょっと不機嫌そうにしてる紅雅を見る。


・・・・・・紅雅も寝たかったのかな?


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