月夜に花が咲く頃に
「ほら、勉強しに来たんだろ。あんまり雫ちゃんを困らせるなよ」


「ちぇー」


楓がその場を納めてくれて、勉強会がようやく始まった。


案の定、開始してものの5分で見事に手が止まるバカ2人組。


「雫、この記号何?(ルート)はおしゃれなの?」


「いや、違うから。数学におしゃれなんて必要ないでしょ」


「なあ雫ー、この点Pってやつ、どうすれば止まるんだ!?」


「いや、止めたら問題にならないんだけど・・・・・・」


・・・・・・知能指数はどうやら一緒のようだ。


どうしよう、思ったよりバカだこいつら。


楓に助けを求めようと視線を投げかけると、にっこりと笑い返された。


「だから言ったでしょ?こいつ、本物のバカなんだよ」


「・・・・・・そうみたいだね」


「なっ、2人して辛辣すぎんだろ!」


「はっ、あんたってほんとにバカなのね。勉強しても意味ないんじゃない?」


「まあ、七色さんも似たり寄ったりだよね」


「・・・・・・そうみたいだね」


「し、雫うぅ!?私をこんなバカと一緒にしないでよ!」


「お前だってバカじゃねーか!」


「うるさいっ!あんたは黙ってなさいよ!」


またもや騒ぎ始める2人。


「・・・・・・うるせえ」


うん、たしかにちょっとうるさい。


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