月夜に花が咲く頃に
弐
期末試験三日前。
暁の倉庫では、頭を抱えながら真面目に勉強する光と、それを見張る楓。
紅雅は優雅にコーヒーを片手に雑誌を読み、私はソファに座ってうとうとしていた。
昨日、久々に繁華街に出たら薬を売りつけている厄介な連中と遭遇してしまって。
いろいろ片していたら、意外と時間がかかってしまってあまり寝れなかったのだ。
試験前にほんとに迷惑なことだ。
まあその連中は警察に突き出したからとりあえずはいいんだけど。
大きなあくびをしてソファにもたれかかっていると、紅雅がこちらをじっと見てきた。
「ん?何?」
「・・・・・・眠いのか」
「え、まあ・・・・・・。昨日寝るの遅かったからね」
少し寝ようかな、と言って目をつむると、数秒後にふわりと何か身体に掛けられた。
目を開けて見ると、紅雅がさっきまで着ていた上着が掛けられてて。
紅雅を見れば、シャツ一枚で再び雑誌を開いている。
「紅雅、寒くないの?」
「いい。使え」
上着はなんとなく紅雅の体温が残っていて。
微かに温かい。
・・・・・・なんか私変態みたい。
「ありがとう」
お礼を言ったけど、紅雅は雑誌から目を離さずに無言のまま。
ぶっきらぼうなやつ。
思わず、小さく笑ってしまった。
暁の倉庫では、頭を抱えながら真面目に勉強する光と、それを見張る楓。
紅雅は優雅にコーヒーを片手に雑誌を読み、私はソファに座ってうとうとしていた。
昨日、久々に繁華街に出たら薬を売りつけている厄介な連中と遭遇してしまって。
いろいろ片していたら、意外と時間がかかってしまってあまり寝れなかったのだ。
試験前にほんとに迷惑なことだ。
まあその連中は警察に突き出したからとりあえずはいいんだけど。
大きなあくびをしてソファにもたれかかっていると、紅雅がこちらをじっと見てきた。
「ん?何?」
「・・・・・・眠いのか」
「え、まあ・・・・・・。昨日寝るの遅かったからね」
少し寝ようかな、と言って目をつむると、数秒後にふわりと何か身体に掛けられた。
目を開けて見ると、紅雅がさっきまで着ていた上着が掛けられてて。
紅雅を見れば、シャツ一枚で再び雑誌を開いている。
「紅雅、寒くないの?」
「いい。使え」
上着はなんとなく紅雅の体温が残っていて。
微かに温かい。
・・・・・・なんか私変態みたい。
「ありがとう」
お礼を言ったけど、紅雅は雑誌から目を離さずに無言のまま。
ぶっきらぼうなやつ。
思わず、小さく笑ってしまった。